【和子】   「ツモっ! 自風西のみ。500 300 300」
 
【一平】   「は?」
【和子】   「やったねっ」
【順】     「………え?」
【和子】   「ほら早く点棒よこしなさいな」
【一平】   「あ、あぁ悪い」
【順】     「え、あ、うん……いや違うやろっ」
【和子】   「へ?」
【一平】   「良く言ってくれた順。このまま流れてしまうのかとヒヤヒヤしてたとこだ」
【和子】   「あー……そっか枕も端牌にすればチャンタもついたか」
【和子】   「んーまぁ上がれる時に上がるに限るしね」
【順】     「違うやろぉぉおおっ!!」
【一平】   「見ろカズ。関西出身のくせに普段滅多に大声を出さない順がこの声量だ」
【和子】   「声量だったら見ろじゃなくて聞けじゃね?」
【一平】   「あ、そっか」
【一平】   「これだからカズはあなどれなちっがぁぁぁあうっ!!!」
【順】     「天ちゃん。今何やってたか思い出してみようか」
天ちゃん、カズこと天野 和子(あまの かずこ)が首をひねる。
【和子】   「……麻雀?」
【一平】   「これだけ悩んで出た答えがそれか、そうか、
        うん、そうだな、よし、これは駄目だ」
【順】     「そうやな。麻雀やな」
【順】     「ただいま26時間耐久中でやけどな」
100キロ走りながらやってるの?
なんて言われそうに長いこの戦いは、
もちろん普通に麻雀を打っているわけではない。
【一平】   「見ろ。いつもはうるさいほどに騒いでるコージが今や見る影なしだ」
【こうじ】    「…いいさ」
【こうじ】    「……でももう俺が登場することはないだろうな」
無草 こうじ(むそう こうじ)。
うるさいという一言だけで片づけられてしまう悲しい奴。
意味不明な一言を残し廃人入り決定。
【和子】   「あーそうか。役満だっけ」
何がきっかけか、カズが現在最も重要な単語を口にする。
【一平】   「そういうことだ」
【順】     「……役満が出るまで誰も帰れないんやからね?」
役満縛り。……いや言葉の意味は違うが
現在俺たちはそれに近いことをしていた。
【和子】   「えへへ~」
役満が出るまで麻雀縛り。言いだしたのは誰だったか……。
つまりはそういうことで役満が出るまで麻雀をやめることができないわけだ。
まぁやめてもいいんだが……もう完全に意地だ。
【一平】   「……ってか」
【一平】   「忘れてたにしても…ちょっとは役満狙ってくれよ」
捨て牌を見た感想。序盤から初牌の字牌捨てすぎだ。
【和子】   「いや~」
【和子】   「一平は大三元狙いの字一色も視野にって感じで」
【和子】   「じゅんじゅんは四暗刻かな? 今の」
【一平】   「あ…あぁそうだけど」
今の今まで役満縛りを忘れていた人間とは思えないほどの
完全な見抜きに一瞬言葉に詰まる。
【和子】   「えへへ~」
【一平】   「えへへ~、って」
【一平】   「お前がそれなりに役満狙っててくれたら
        上がれたかもしれないんだぞ、おい」
久しくぶりにかなり惜しいところまで行っていたのに…。
【順】     「…………ちょっと待って」
【和子】   「えへへ~」
【順】     「そのセリフ…デジャヴなんやけど」
【一平】   「……え?」
【一平】   「…いやまぁ和子さっきからこれ多いからな」
デジャヴというか、現にさっきから俺は
カズに何度もこの言葉を言っている。
【和子】   「げへへ~」
……なんか笑い方変わってきたな、こいつ。
【順】     「……いやでも、そのセリフ聞くときは絶対
        うちらが上がれそうな時なんよね」
【一平】   「…………おいまさか」
【和子】   「ぶへへ~」
【和子】   「ここまで来て他人に役満上がられてたまりますかっ」
なん…だ…と?
【一平】   「おいふざけんな! さっき会話はなしだけど
        出来るだけ協力プレイを心がけようと話しただろがっ」
さすがの26時間。
とうの昔に限界を迎えていた俺たちは協力プレイを提案し
できるだけそれに乗っとって行動してきた……はずだった。
【順】     「上がれないはずや……」
元から役満目指してるとわかっている奴を蹴ることほど簡単なものはない。
…つまりはカズとやってる限り一生終わらないというわけで。
……つっても――――
 
【順】     「……でもここまで来てやめるわけにもいかないっ」
 
【一平】   「…死ぬ気か」
【和子】   「ぶへへ~さぁ次やりましょうぜ~ぶへへ~」
悪魔顔負けの笑みを浮かべながらジャラジャラと牌を混ぜる。
……こんな奴に負けられるかっ。
【一平】   「こうじ……存在感はないが確かに生きてるな」
すでに聖水で蒸発しそうな勢いだがギリギリ卓に座っている。
任せとけ…カタキは必ず取ってやるからなっ。
【一平】   「やってやるぜっ!!」
【順】     「よく言ったイッペーッ」
【順】     「うちもまた燃えてきたっやったるでっ!!」
【和子】   「ぶへへ~っさぁさぁ配牌どうでっか~悪かろ~悪かろ~」
【一平】   「コージのカタキっ……とってやんぜっ」
【順】     「死んでないけどなっ」
周期的に回ってくるハイなテンションが拍車をかけ再び卓が燃え上がる。
【和子】   「ぶへへ~」
この野郎め…。
しかしこのやり方をしている以上貴様に勝ちはないっ。
カス手を捨てて役満を狙いに来た時……
そここそが貴様の命日だっ。(徹夜テンション)
【一平】   「ここまできた以上……」
【一平】   「30時間だろうが40時間だろうがどこまでもやってやるぜっ!」
【一平】   「この戦いは……始まったばかり――――――」

【こうじ】    「天・和っ」

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はい、麻雀を知らない人には何言ってるかわからないSSでした()
以前書いたものですが一記事でどれくらいの容量書けるかのテストで投稿。 
一応キャラ名を麻雀の役からとっているのですが…わかりにくいですね(‘_`)